論理的思考の限界〜意思決定を論理的に行うとハマる罠〜

前回の『論理的思考の限界 』に次ぐ、第二弾だ。

元ネタは、みんな大好きMetapsの佐藤さんのブログだ。
ロジカルシンキングの弱点を考えてみた

昔、自分の叔父に言われた言葉で、
つい最近まで全く理解できなかったことがある。

「論理的思考なんて役に立たない。
そこで生まれる蓋然性なんて微々たるものだ。」

確かに、論理的に考えたことが外れることが頻繁に起きていた。

そしてこの記事を読んだとき、
どうして論理的な意思決定がことごとく失敗するのか、
違和感を覚えていた僕の疑問がついに氷解した。

今や、論理的思考はビジネスの世界では基礎技術とも言うべきスキルだ。

だが、何のために使う道具なのか、
今ここで明確にしておこう。

論理的思考とは、
他者を説得するために使う道具であって、
意思決定をするために使うべきではない。

そもそも、論理的思考が成立するためには、
ある命題を成り立たせるために必要な要素がすべて揃っていること、
その要素が正しいことを認識できること
の二点が前提になる。

果たして、人間は上記の二点をすべて把握できるほど全能なのであろうか。

答えはNoだ。

仮に、新規事業を検討している担当者が社内でプレゼンテーションをするとしましょう。海外ではその市場は注目されており、まだ日本では誰も手がけていないビジネスだとします。

担当者は、そのビジネスの可能性を、市場の成長性・海外プレイヤーの成長率・自社が参入した場合の競争優位性などを材料に、経営陣にプレゼンを実施します。経営陣はその説明をもとに自分達でも成功角度を見積もり参入の意思決定を行います。

もし、この時に同じことを検討している会社が100社あったらどうでしょう?

市場は一瞬で競争過剰に陥り値下げ合戦に巻き込まれて充分な利益が出せなくなるでしょう。ただ、今現在に誰がどんな事を考えて何の準備をしているかをリアルタイムで知ることは、世界中を監視できる立場にないと不可能です。この時点で、競争環境を判断する材料が抜け落ちていることになります。

ロジカルシンキングの弱点を考えてみた 佐藤航陽のブログより

すべての正しい情報を集めることも、
正しさを判断することもできないのに、
どうしてそれを材料にして考えた結論が正しくなり得るのだろうか?

だから、「論理的に」考えた投資は失敗するし、
戦略も失敗する。

こうして出来上がった論理は、
人にもっともらしいと納得させることはできたとしても、
それが成功につながるかどうかは分からない。

その意味で、論理的思考というものは、
説得するためのツールと割り切ってしまったほうが、
よっぽどいいのかもしれない。

  • このエントリーをはてなブックマークに追加
  • Pocket
  • LINEで送る